心にふれるRPG

異世界に飛ばされた主人公(達)が元の世界に戻る方法を探す、のはひとまず保留して降り立った国を、延いては異世界を救っちゃおうという話。ぶっちゃけ世界系。あんだけ大量虐殺しといて元の世界で普通に過ごせるわけないじゃないか。ピンキーストリートのような見た目に騙されるな! 世界を救うとはこういうことさ。
●主人公は戦う意志を剣の形に結晶化して引き抜くことが出来る心剣士。仲間キャラの心象世界も覗くことが出来ます。プライバシー? 異世界でそんなものあるわけないじゃないですか。
●ジャンル分類がテイルズと同じ「キャッチコピー+既存のジャンル」。「心にふれるRPG」の名に恥じず、初対面の人からもズバズバ抜いちゃいます。
●人気の声優を多数起用し、キャラクターデザインはTony。獣人が多数仲間になるのも「君が生まれ変わるRPG」と違って好感が持てる。
●女性の獣人はセイラン(獣人の国)にはいない?
いや、そもそも男の獣人しか仲間にならないという偏り様、主人公のハーレムを形成するための措置か? 女性仲間キャラは皆人型(≠人間)だし。そしてどうして心剣士は全員男なのか。異世界人が条件なら女性が抜けてもいいだろうに。抜かれるほうは男女獣誰でもOKなのだから。新たなジェンダー論が生まれそうだ。
●シナリオについて
超展開。フラグとか伏線といった用語、視点は物語を構造化してしまうために読者、プレーヤーとしては意識したくないものだが、それを製作者すら無視するとどうなるか。驚いたりしません。神器? 究極心剣? いきなりそんなこと言われても(笑) 主人公は突然性格が変わるし、ライバルは悟りを開いちゃうし、死んだはずのヒロインは何食わぬ顔で甦るし、何がなんだか。っていうかソウマの聖杯がなんでお前?! アニメで補完されているだろうことは予想がつくが、欠如している物語があまりにも多すぎてメインであるはずのRPGが成立していない。物語を分けるならいっそ抱き合わせで発売しろ、と。
●倫理的な観点から危険視していた本作品であるが、ゲームとしても地雷という、まさかのツインボムで見事に爆殺。ゲームクリアに漕ぎ着けたのは類稀な忍耐力と下心のなせる業です。RPGじゃない、ギャルゲーだと思えばいいんだよっ。さて、次は同じニオイのするアルトネリコをしてみようかな。